カタコトバイトとはどのような求人サイトなのか?

カタコトバイトは、アルバイトを探している日本語が苦手な留学生や家族滞在の外国人と、外国人労働者を求める企業を結びつけるweb求人サイトです。

現在、日本のweb求人サイトはたくさん存在しており、その中には外国人向けのサイトもあります。カタコトバイトが他の外国人向け求人サイトと違うのは「日本語が苦手な外国人」をターゲットにしている点です。

どんな求人サイトかと言いますと、まず日本人が初めてカタコトバイトのサイトを開くと、強い違和感を感じると思います。

このサイトは「日本語が苦手な外国人」でも理解できるように、すべて「ひらがな」で記載されており、日本語(漢字)を読める方は、逆に読みにくくなっています。

もちろん、掲載企業向けの案内や規約等、日本人に向けた内容の部分は普通の日本語で記載されています。

求人の詳細も外国人向けの工夫がされており、その中身は全て箇条書きになっているので、文章が理解できない方でも内容がわかるようになっています。

一方で仕事内容の詳細や職場の魅力は、通常の求人より伝わりにくくなっていますが、中々仕事に就けない外国人からするとあまり大事な部分ではないと思われるので、敢えて重要でない情報を省いているのかもしれません。

外国人向けの求人はたくさんあるのか?

一度カタコトバイトをご覧になってみると分かりますが、求人の数は非常に少ないです。募集求人全体で40件ほどしかありません。

使いやすさやページの見易さ等、web求人サイトとしての構成はよく出来ているのですが、求人が少ないことで、その魅力を十分に発揮できていないと言えます。

一方で、掲載求人を増やすための工夫もされてはいます。通常、企業がweb求人サイト等に求人広告を掲載する際は、広告会社(web求人サイト等)に掲載料金を支払わなければ掲載できません。

つまり企業側からすると採用が出来なかった場合、掲載料金が無駄になってしまうのが一般的です。このような事から、募集をしても採用出来るかわからない外国人をターゲットにするweb求人サイトを運営することは難しいと言えます。

しかし、カタコトバイトは求人を掲載する際に、企業から広告料を取っていません。企業からの広告料は、企業がカタコトバイトを通じて外国人を採用した場合のみ発生する仕組みになっています。

具体的には、採用が決まった外国人の初出勤が確認された場合、採用ひとりにつき5,000円の料金をカタコトバイトに支払う仕組みです。

企業からすると掲載するだけならリスクはないので、外国人の募集を考えている企業にとって、カタコトバイトを利用するハードルはかなり低いと思われます。

因みに、このような成功報酬型と言われるweb求人サイト自体は以前からありますが「日本語が苦手な外国人」をターゲットにしたという点で、カタコトバイトは価値があると言えます。

どんな職種が掲載されているのか?

まず、アルバイト求人検索の方法は一般的なweb求人サイトとほぼ変わらず、地域、駅、職種、時間などで検索が可能です。

しかし詳細な検索が出来るようになっているのですが、機能としてはあまり意味がないものとなっています。例えば、職種が約40種類に分類されているのですが、募集されている求人のない職種がほとんどで、募集されている求人の9割以上が飲食店と小売店(スーパー)という内容だからです。

また募集求人が首都圏に集中しており、求人の無い都道府県がほとんどなので、地域検索等は出来ない状態です。

飲食店と小売店の求人内容を見ると、日本人が行っている仕事を同じようにやってもらうスタンスの求人が多いです。日本語が苦手な外国人だからといって、皿洗いしかさせない、ホールには出さない、ひたすら掃除をやってもらうなど、日本人スタッフと仕事内容に差をつけるというバイトは少ないです。

また、外国語での接客のみを目的として募集している求人も少ないです。外国人のお客が多いので、それに対応するために外国人スタッフを求めている店もあるようですが、あくまで通常の業務をこなしてもらい、機会があったら外国語を生かしてもらうというアルバイト内容が多いです。

カタコトバイトに求人を掲載している飲食店はオシャレな店が多く、チェーン店よりメニューの価格が高そうな店が多いです。因みに、大手チェーン店の求人はほとんどありません。

給与面については、不当に時給が低い等といった求人はなく、日本人スタッフより時給を低くするといったこともありません。(そもそも国籍によって報酬に差をつけるのは労基法違反です)

意外だったのが、職種の中にコンビニと語学講師(ランゲージティーチャー)があったのですが、募集求人がなかったことです。

日本のコンビニでは外国人が働いているのはごく自然な風景になっていますし、外国人の仕事として語学講師をイメージされる方も多いと思います。

求人に応募する際は、簡単な応募フォームを入力したら応募先からの連絡を待つだけで、一般的なweb求人サイトと違うところは「ビザ」の項目があるくらいです。

カタコトバイトのメリット・デメリット

カタコトバイトの「日本語が苦手な外国人」の就業を促進していることはすばらしいといえます。通常の求人では「日本語が苦手な外国人」に応募して欲しくないという店が多いのが実態です。

昔に比べて日本でも外国人の就業者は増えておりますが、コンビニで働いている外国人をみてもわかる様に、ほとんどの方は日本語でコミュニケーションが取れる方だと思います。

カタコトバイトでは募集する側(求人)が初めから日本語の能力をそれほど期待していないので、他のweb求人サイトと比べ、応募のし易さという点ではだいぶ優れていると言えます。

一方、募集する側の懸念として、カタコトバイトからの応募だと「ひらがなが読める」ということがわかるだけで、日本語での文章理解やマニュアルで対応できないような会話がどれくらい出来るのかはわかりません。

募集する側も、それぞれの会社や店での最低限の日本語レベルは設定していると思いますが、実際にある程度の会話をしてみないと応募者のレベルがまったくわからないのが難点です。

因みに、他の外国人向けweb求人サイトですと、普通の求人サイトと同じような日本語で記載されている場合が多く、採用する側からすると応募の段階で日本語で求人内容を理解して、日本語で応募できるレベルということがわかると思います。

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